※この記事は、奥さんの家事育児負担が大きいご家庭の、忙しいパパに向けて書いています。昔の自分が知っておきたかった内容を書いていますので、ダンナとして何を考えるべきか、何ができるのかをパパ目線で書いています。
「奥さんが疲弊しているけど、自分もそれ以上に忙しくて改善策まで頭が回らない」、といった悩みを持つダンナさんも多いのではないでしょうか?
わが家もそんな状況で、忙しさにかまけるあまり奥さんに負担の大部分がよってしまい、あまりの疲労にノイローゼになり半年間休職させてしまったことがあります。
奥さんが疲れているな、ノイローゼ気味だな、と思ったら早め早めで手を打ってください。とんでもないことになりますよ…。
なぜ育児は疲れるのか?
超絶ブラック企業を超える労働環境
子供が可愛いのは間違いないですが、真面目に子供を相手にするのはめちゃくちゃしんどいです。
不眠不休で24時間営業
特に2歳くらいまでの小さいお子さんの育児をしている場合、シンプルにまず寝ることができません。
僕達も睡眠不足の翌日はパフォーマンスもガタ落ちですし、気分もイラだっていて、些細なことにめちゃめちゃ腹立つこととかってありますよね。奥さんは常にその状態に置かれています。
まず夜にまとまって寝る時間を確保することができません。子供のミルクや夜泣きで2~3時間で起こされますし、乳幼児突然死症候群(SIDS)など寝ている間に突然死ぬこともありますので、真面目なママほど熟睡できません。
朝も朝で4時起き5時起きはザラです。二度寝してくれるかなと思いきやそのまま活動開始してしまい強制的に一日が始まる…といった感じです。
昼は朦朧とする意識の中、子供が寝たスキに予防接種のスケジュール調整、暗号のような役所文書の解読、保育園の選定に苦戦します。寝不足なので余計に時間がかかっていると子供が起きてやり直し…
まさに賽の河原状態です。しかもこれに加えて家事負担がある場合がほとんどの家庭と思います。
睡眠不足は万病の元であり、がんやアルツハイマー、糖尿病、肥満などのリスクが高まるとの研究があります。
特に睡眠不足になった後3年間にうつ病を発症する可能性が4倍になるとも言われていますので、乳児を抱えるママさんはうつ病になりやすい状況です(nito家もこれに該当します)
理不尽なボス
例えば、すんごい嫌な上司の元で働いているケースを想像してみてください。
- こちらの状況構わず声掛けてくる
- 言うことがコロコロ変わる
- すぐに対応しないと怒る
- 怒鳴る、大きな声を出す、ものを投げる
- 論理的ではない
- 言ってることが分からない
- でも押しは強い
- 自分では手を動かさないのに、態度はデカい
- 自分の意見は通ると思っている
…これ全て子供にも当てはまります!
仕事ならまだ会社を出れば解放されますが、子供の場合は四六時中そばにいるため逃げ場がありません。24時間職場にいるので、オンもオフもありません。
それでいて、お金がもらえるでもなく、褒められるわけでもありません。
ある意味超絶ブラックです。これで正常なメンタルを保てる方がどうかしています。
孤独感を感じやすい
ストレスを溜めていても仲間がいればまだ耐えられるものですが、毎日子供との会話が中心となり大人との会話が少なくなると、奥さんは孤独になりがちです。
ダンナが共感してくれない
僕の場合残業、出張、会食やらで帰りが0時前後になってしまうことがほとんどです。
もちろんこれより早いこともありますが、子育てのピーク時間である18時~21時頃に帰れることはまずありませんでした。
また、僕は集中すると周りが見えづらくなるタチなので、家に帰ってからも仕事のことを考えるか、もしくは完全にオフになって何も考えないかのどっちかでした。
そんな状態で話を聞いても生返事を返すのが関の山で、しかも生返事がバレる有様でしたので、余計にストレスを溜めてしまう原因になっていました。
女友達とライフステージがズレて疎遠になる
気分転換に友達とおしゃべりすることすら、奥さんには簡単ではありません。
というのは、友人の結婚の有無や、子供の有無などのライフステージの違いが生じている場合、関心の対象が微妙にズレてきて、気兼ねなく話ができる相手が減ってしまうからです。
産休や育休に伴い社会との接点が少なくなることにより、どんどんと社会からの孤立感も高まり、ストレスも溜まり、吐き出せないという負の連鎖が高まっていきます。
「育児を完璧にこなすのはスーパーヒーロー並の偉業」という某ディズニー映画の言葉はめちゃめちゃ腹に落ちました。
ダンナができる対応策
カラダと心を癒すことから
ダンナも時間をひねり出せば見つかるはず。少しでも良い
まずは奥さんに休む時間を確保しましょう。1番確実なのは同居するダンナ(自分)が動くことです。平日に早く帰る、土日に子供を自分一人でみる時間を増やす、などです。
僕の場合、普段から深夜に帰宅することが多かったので平日に早く帰るのは中々難しいです。
しかしながらそれでも冷静に見直すと、月初の数日間など月の中で比較的時間にゆとりのあるタイミングがあることに気づきました。
早く帰れそうな日は会社のスケジュールに「帰宅」と入れる、夕方に客先訪問を入れるなどして強制的に帰る様にしました。(とはいえ、急に仕事が入ることもありますのて、パソコンも持ち帰り、必要に応じて家でも仕事を片付けることができるようにしていました)。
保育園のお迎えにはさすがに間に合わないのですが、19時くらいに帰宅ができれば、ご飯をあげたり、お風呂から寝かしつけまでを担当することができます。
その間、奥さんはカフェに行ったりと自分の時間を持ちリフレッシュするための時間を確保することができました。
また、週末のうち半日程度は、奥さんだけの時間を持ってもらう様にしました。この時間で映画を見に行ったり買い物をしたり、カフェに行ってもらったりと、とにかく子供から離れる時間を作ることで、少しでも気持ちが休まるようにしました。
親に定期的に頼める人は協力を仰ぐのも有効です(nito家は実家が近くなかったこと、親が体調を崩しがちなことから頼れない状況にありました。)
大事なのは事前告知と〇〇
重要なのは、事前に計画して共有することで、奥さんが予定を立てやすくしてあげることです。
思わず仕事が順調に進むなどして、突然時間ができたと言われても友達と飲みにも行けないですし、行きたい美容院やレストランの予約もできません。
急に時間ができて早く帰るのもよいことですが、奥さんをリフレッシュさせるためには、早めに計画をして、効果的に気分転換ができるようにするのがオススメです。
もちろん早く帰れる日も多くはないでしょうから時間としては僅かなものです。ただ、その少しの時間すらも有難いと感じる位、忙しいのが子育て中のママさんです。
これだけでは全然足りませんが、塵も積もれば山となり、奥さんの負担をかなり減らせますので、是非試してください。
また、ここで大切なのは実は作業負担を減らすことではありません。一番大事なのは、育児を分担する姿勢を見せることだと感じています。
割安に利用できるシッターもある
とはいえ、ダンナや身内が手伝うことができる範囲は限られていますので、nito家ではシッターも活用しています。
具体的にはキッズラインを活用しています。キッズラインでは近隣に住むシッターさんのマッチングをしてくれるアプリで、子供の人数や年齢、希望するサービスや曜日などの諸条件を登録すると、条件に合うシッターさんが表示されます。
シッターさんもプロフィールを掲載しているので、そのプロフィールや利用者からのクチコミをもとに、こちらでシッターさんを選び、依頼する流れとなります。互いの条件がマッチすれば、具体的な日時などの調整を行います。
料金は人によって異なりますが、都内では2,000~3,000円/時の人が多いようです。(人により、沐浴や2人目以降のオプションが発生します)
キッズラインの良さはなんと言ってもその価格です。同様の業態にはスマートシッターがあり、そちらも割安ではありますが、体感的には一回あたり2,000円前後、キッズラインの方が安い気がします(2児シッティング、一回2~3時間程度の場合)。月に何度か頼みますので、この差は結構デカく感じます。※キッズラインでは2人目以降はシッターさんによりオプション設定(2人は+500円など)。一方のスマートシッターは2人シッティングは1.5倍となります。
シッターの利用には一定の割り切りも求められる
一方のデメリットとしては、運営がずさんであることで、特にコンプライアンス関連の対応には疑問が持たれます。 具体的には、シッティング中のわいせつ事件が、2019年11月、2020年5月と立て続けに起こったにもかかわらず、運営側が公に動かず、対応がずさんであったことはネットでも随分と取り上げられました。シッター関連の採用がザルであるなどの噂もありますが、ここではその真偽や是非については言及しません。この一連のコンプライアンス問題への言及は中野円佳さんの記事が参考になります。
ここは結構致命的なデメリットとは思いますものの、人類から犯罪がなくならない以上、ある程度の防犯策などは講じた上で、排除しきれないリスクであることも事実です。使う場合には一定の割り切りも必要です。
nito家では幸い、信頼できるシッターさんに巡り会えていますが、新規のシッターさんにお願いする場合にはプロフィールをよく読み込む、初回は面談も兼ねて親同伴とするなどの対策が必要でしょう。観察のためのカメラを設置するなども決してやりすぎではないと思います。
派遣型のシッターサービスもある
少し話がそれてしまいましたが、キッズライン、スマートシッターではシッターさんを選び日程を調整する、マッチング型のサービスとなりますが、逆に日程を指定して、そこに合うシッターさんを派遣してくれる派遣型のサービスもあります。具体的にはポピンズなどです。
キッズラインなどのマッチング型は、シッターさんの予定が合わなかったり体調不良などで来れない、あるいは当日来て欲しいといった以来には対応できない場合があります。
一方で、派遣型は日程に合わせて最適なシッターを派遣してくれるので、そのあたりの融通がきくメリットがあります。また、単なるマッチングサイトに比べ、採用や教育に時間やお金をかけていますので、シッターさんの平均的な質としては高いと感じます。
安心と価格はトレードオフ。夫婦で会話しよう
このようなメリットがある一方で、その安心感は料金に反映されてきます。
例えばポピンズのスタンダードコース(都内)であれば入会金50,000円や年会費10,000円が発生する上、1日15,000円程度を要することとなります。※17時以降の時給4,800円(3,200円/時+2人目半額1,600円)、最低3時間から。+交通費1,100円
個人的には価格面に加え、新しいシッターさんに入ってもらうのは、都度家の細かなルールを説明するのが面倒なのと、色々な人に家に入られるのも防犯面で抵抗感があるため、マッチング型でシッターさんを慎重に選んで来てもらうようにしています。
この辺りの考え方は家庭によって異なるでしょうので、家庭にあったサービス、シッターさんを奥さんとよく話し合って決めることが大事です。
どの様なシッターさんにお願いするか?価格優先か?資格持ちにするか?何時から何時までお願いするか?週何回入ってもらうか?など。「同じ問題意識を持ち、解決に向けて相談する」というプロセスそのものが奥さんの孤独感解消に効果があると考えていますので、ベビーシッターを使うべきかどうか、リスクも踏まえどう考えるか、といった話をすることは、僕の体験からもオススメです。
大人と会話する頻度を増やす
育児への参加が関心を高める⇒共感につながる
同居しているダンナがもっとも奥さんの話を聞く機会が多いので、奥さんの孤独感を一番解消できる立場にあります。
僕の場合、そんな立場である自分があまり話を聞いたり共感していなかったことが奥さんの孤独感を生み出しているひとつの原因になってしまっていたことに気づきました。
ではなぜ話を聞いたり共感できていなかったのかというと、恥ずかしながら関心が低かったんですね。
ではなぜ関心が低かったのか?当時は「あの仕事片付けなきゃ…」とか「この勉強やらないと…」とか、とにかく仕事が忙しかったので、育児に関心を持っている余裕がないから、と思っていました。でも実は違っていたんです。
つまり、育児に関心が低いのは、そもそもの育児の関与度合いが低かったから。この一言に尽きます。仕事で忙しいから関心が持てないのではなく、育児をあまりやっていなかったので育児に関心が持てず、結果奥さんの話もあまり聞かないし共感もできない、そして仕事に没頭していき、ますます育児の関与度合いが下がる…。そんな循環に陥っていたのです。
よく、楽しいから笑うんじゃなく、笑うと楽しい気持ちになる、っていいませんか?それと同じです。
例えば子供がご飯食べたくない!ってイヤイヤが激しかったという愚痴を聞いたとしましょう。
普段ご飯を食べさせていなかったら「ふーん」で終わってしまいますよね。以前の僕はそうでした。
でも自分で食べさせた経験が多ければ、「うっわー、そりゃ大変だったね!何食べさせたの?えっ唐揚げ?こないだめっちゃ食べてたじゃん!食べ合わせが悪かったのかな。そういえば今日は保育園でお昼寝した?あー寝てないのか、それなら眠くて怒ってたんじゃない?眠いから食べないとかマジ理解不能だよね。俺なら眠くても飯はちゃっちゃと食うわ~」みたいに会話のキャッチボールができます。
違いは歴然ですよね。自分が育児に関して積極的になることで、会話に対してのアンテナが広がり自然も会話が弾むようになります。
積極的に関わることの具体的なイメージがわかない場合には、物理的に自分一人で育児する時間を増やすことを意識すると良いと思います。
スキルの問題もある
また、スキルの問題もあります。話を広げようとして質問しようとするのですが、仕事をする時の質問力と、奥さんと会話する時の質問力は似て非なるものだからです。
つまり、仕事において求められる質問力とは、因果関係の整理です。もっというと、論理です。
一方で、共感するにあたって論理は必要ありません。普通に話しているのになんで?とか本当に?とか言われるとイラッとしますよね。
個人的には、否定をせずに、状況をクリアにするための質問(いつ?やそれって何?といった質問はもっと知りたい、という気持ちを間接的に表します)、そしてオウム返しなどを活用した会話を行うことが有効と思います。僕が読んだ本では『 プロカウンセラーの聞く技術』という本が役に立ちました。
スキルの件は機会があればまとめてみたいと思います。
ママ友は最強の共感&相談相手
周りの大人の中で、一番気兼ねなく会話できるのはママ友です。妊娠・出産を含む女性としての経験や、ダンナへの愚痴など、ダンナとは話せないことを話すのに一番適した存在です。
また、ママ友は強力な相談相手にもなります。
同居する最も身近な大人として、ダンナが奥さんの相談に乗るためにできる限りの努力をすることは当然ですが、ママ友の一言には及びません。
なぜなら、「他の子を育てている実体験」以上の説得力はないからです。
例えば、育児をする中で、「ウチの子まだハイハイだけど、この年齢ならこんなもんかしら」とか、「家が散らかっていたり、子供に手作りのご飯を食べさせてあげられないことがあるけど、これってウチだけなのかしら」といったように、不安に感じることがあります。
これがママ友の「ウチだって同じだよ」のたった一言で大部分が解決します。
僕が育児本を読んだりネットで調べたり、会社のママさんに聞いたりして、分かりやすく丁寧に奥さんに伝えても、その時はあまり響きませんでした。
なぜ同じことを(なんならダンナの方が丁寧に)説明しているのに違いが出るのか? それは実際に出産をして、同じ女性として子供を育てている経験がママ友にはあるからです。
実体験に裏打ちされたママ友の一言には敵わないのです。「誰に」言われたのかが極めて重要だということです(なので、育児への関与度合いが低いと、ダンナの言葉は一切響きません)
ダンナつながりでもママ友を増やそう
社交的な奥さんであれば、保育園や公園などで自然とママ友が増えていくとは思いますが、人見知りな場合はダンナとしてその機会を設けてあげることも大事です。
僕がオススメなのは、ダンナの友人家族との食事会を設けることです。なんでも良いのですが、ハロウィン、クリスマスなどを口実にすると集まりやすく、結構盛り上がります。BBQなど複数家族が集まれるのでオススメです。
どの家庭に声をかけるかですが、奥さん同士の相性などもありますが、子供の年齢や構成を重視するとうまく行くように思います。
奥さん同士の相性が良くても子供同士が交わらなければ距離感は縮まらないですが、子供同士が仲良くなれば、自然と親同士の距離も縮まるからでふ。
そういう場をダンナが設ければ、人見知りな奥さんでも子供という共通話題がありますので、打ち解けるのも早いです。
まとめ:ダンナ&外部リソースの活用を
奥さんの育児負担は我々男性が想像するよりもずっとハードです。
まずは疲れやストレスが溜らないようにすること、溜まった時には休息・発散ができる様に工夫しましょう。そこまで気が回らないほど忙しいのがママさんだと思いますので、そこはダンナがフォローしましょう。その時に、奥さんに聞く耳を持ってもらうためにも、ダンナが日頃から育児に参加する姿勢は欠かせません。
また、ダンナの協力だけでは乗り切れないのが核家族の育児です。必要に応じてシッターやママ友など外部のリソースを活用するようにしましょう。
まずは疲れやストレスが溜まりにくいような工夫が必要です。
どれだけ頑張っても疲れやストレスは溜まってしまいますので、発散も重要です。奥さんの性格や家庭の環境にもよると思いますので、ストレスの発散方法などはまた別の記事で書いてみたいと思います。
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